人間の心の中には性こころが存在している。
今の現実では心も解析することができないため性こころを解析することは非常に難しい。
これまで知られていたセックスに関するすべては歪曲され間違った解釈によるものである。
セックスに対して歪曲されたものを事実として受け入れ、確信することにより心理問題や心理障害、性機能障害、身体的疾病などが発生する。
このすべてのことを体系的に整理した理論が性こころ理論である。
序文
著者は心理障害を研究し、心理治療法と心理理論を開発した。心理学、カウンセリング学、精神医学の非専攻者であるが、長い間、心理障害を治療するためのカウンセリングと治療教育を通してこころ理論(mimind)、性こころ理論(xesmind)、こころ遺伝子理論(migene)を開発した。また、著者は心理障害を治療する過程において性機能障害と身体的疾病が同時に治療され改善される効果を発見したが、医者ではないため身体的疾病の治療方法を研究することはできず、性機能障害の治療方法は研究することができ、性機能障害の治療法であるジェスセラピー(xestherapy)を開発した。
人間は男であれ女であれ体と心で構成されているが、心が身体ではたらく原理を正確に解析できずにいる。それでストレスと傷によって困難を覚えている人々を治療して心理障害を治療する過程で「人間の心と心理がはたらく原理」であるこころ理論(mimind)を開発するに至り、こころ理論を基礎に心理障害と性心理障害を治療する過程で「人間の性こころと性心理がはたらく原理」である性こころ理論(xesmind)を開発するに至った。
こころ理論と性こころ理論は著者が世界初で開発したもので、こころ理論と性こころ理論を適用して男と女の心理障害を治療する心理治療技法を開発、傷治療と心理治療が異なるため治療技法も分離して開発することができた。また、こころ理論の教育を通してストレスと傷を治療できる能力を身に付け、心理障害を予防することができ、性こころ理論を根拠に傷治療と心理治療の技法を完成することができた。
人間の心(mind)には一般情報にはたらく一般の心(mimind)と性情報にはたらく性こころ(xesmind)がある。特に、本書において用いる心は、mimindとxesmindを包括するmindではなく、一般情報にはたらく一般の心(mimind)を心と表現する。
これまで知られている心(mind)だけでは解析できない部分が多いため、こころ理論を開発し、一般の心(mimind)の体系化を図り、性こころ理論を開発し、性こころ(xesmind)の体系化を図った。
このように人間の心は二つで構成されている。
第一に、性を除いた一般的な情報と知識(一般情報またはこころ情報)にはたらく心として、我々が一般的に使用している心がある。これを心(mimind)と命名した。この一般の心は心理によって情報と知識を処理し感情を感じるはたらきをする。
第二に、性情報にはたらく心である。これを性こころ(xesmind)と命名した。この性こころは性心理によって性情報を処理する。この時、心(mimind)と性こころ(xesmind)という用語は著者が初めて命名した。
これまでは人間の心を包括的に用いて、一般の心と性こころを統合して心とした。しかし包括的に用いられる心では人間の心と心理がはたらく原理を解析するに当たって多くの困難があった。従来の心理学は一般の心ではたらく認識心理、記憶心理、表現心理だけを研究する学問である。心がはたらく原理は全く研究されていない。そのため性こころと性心理がはたらく原理はそれが存在することさえ研究することができなかった。
本書で用いる心は一般の心(mimind)である。性情報を除いたすべての情報をこころ情報、または一般情報と言い、ジェス(xes)に関するすべての情報を性情報と言う。この時、情報と知識はこころ情報と性情報に分離しなければならない。つまり、心を一般の心と性こころに分離してこそ、人間の心(mind)がはたらく原理を正確に知ることができる。
心においてはたらく心エネルギーが一般の心ではたらく時に身体に及ぼす影響を分析し、性こころではたらく時に身体に及ぼす影響を分析しなければならない。それでこそ性機能障害、心理障害、身体的疾病が発生する原因が心と性こころによって生成される心エネルギーと関係していることが分かる。
こころ理論によって一般の心(mimind)がはたらく原理と道理が分かり、性こころ理論によって性こころ(xesmind)がはたらく原理と道理が分かる。つまり、こころ理論と性こころ理論によって人間の心がはたらく原理と道理が分かる。
性こころにおいては性情報を認識する性認識、性情報と性傷を記憶する性記憶、性情報を表現する性表現などの性心理がはたらく。この時、性情報は独立的に存在するのではなく必ずこころ情報と共に存在する。性情報はこころ情報の一部分である。それで性情報は必ずこころ情報によって心と心理がはたらくと同時に性情報によって性こころと性心理がはたらく。
したがって情報と知識は性情報がない一般の心の情報として心と心理をはたらかせ、こころ情報に性情報が含まれているとこころ情報は心と心理をはたらかせると同時に性情報は性こころと性心理をはたらかせる。それで性情報が性こころにおいてはたらく時は必ずこころ情報が心において共にはたらく。このように性情報がはたらく性こころは独立的にはたらくことはなく、性こころがはたらく時はこころ情報に対して心がはたらく。
例えば「スマートフォンでアダルト動画を見る」とすると、スマートフォンとスマートフォンを見る行為はこころ情報である。しかしアダルト動画は性情報である。そのため「スマートフォンでアダルト動画を見る」ということは、こころ情報と性情報が結合し性情報となる。そうするとこの瞬間からアダルト動画を見るスマートフォンは性情報になり、性情報によって性こころがはたらく。また、スマートフォンを見る行為がアダルト動画と結合するとこの全体が性情報となる。
このようにこころ情報と性情報が結合された情報を性情報と言う。これによってスマートフォンでアダルト動画を見るということは、アダルト動画という性情報によってスマートフォンと関連するすべての情報が性情報となる。
他の例を挙げてみると、「セクシーな女がビキニを着ている」とした場合、女と着ていることはこころ情報である。この時セクシーであることとビキニは性情報である。こころ情報と性情報が結合するとセクシーな女が性情報になり、ビキニも性情報になる。それでセクシーな女がビキニを着ていることは性情報になる。たとえこころ情報がはたらいているとしても、性情報のためにこころ情報がはたらくことになる。これを記憶する形態を分析してみると、セクシーな女と関連するすべてのものが性情報になり、ビキニと関連するものも性情報になる。
「ベッドの上で男女がセックスをする」とすると、ベッドの上の男女はこころ情報であり、セックスは性行動をする性情報となる。こうなるとベッドの上で男女がセックスをしている全体が一つの性情報となる。もしこのような性情報を性記憶しているなら、ベッドと関連するすべての情報は性情報になり、ベッドの上の男女も性情報になる。
このように性情報はこころ情報と結合して構成されるため、性情報は単独で存在するのではなくこころ情報と一緒に結合している。
「女が裸体で寝ている」という情報が記憶されていれば、女はこころ情報であり、裸体は性情報であり、寝ていることはこころ情報である。これによって女と関連するすべてが性情報になり、寝ている女と関連するすべても性情報となる。
また、「すらりとした女がアダルト動画でセックスをしている」とすると、すらりとした女はこころ情報であり、アダルト動画は性情報であり、セックスをすることも性情報である。そうするとそれ以降はすらりとした女に関するすべての情報は性情報となる。
人間の心の中には性こころが存在している。現状では心も解析することができないため、性こころを解析することはとても難しい。我々がこれまで知っていたセックスのすべては歪曲されて間違った解析の内容である。セックスに関する歪曲された事実を真実として受け入れ確信すると性機能障害、心理障害、身体的疾病が発生する。
心と性こころにおいてはたらく心エネルギーが重要である。心と性こころがはたらき人間の心で心エネルギーが生成される。身体にはたらくエネルギーだけが存在するのではなく、心と性こころで生成される心エネルギーも存在している。このエネルギーは外部から流入されるものではなく自分の心と性こころにおいて作られる。
本書は著者がこころ理論を開発した後、心と心理がはたらく源泉を研究して、性こころがはたらく原理を研究した結果報告書である。
本書が出版されるに当たって、著者と共に研究し、難関を克服してきた韓国心理教育院の院長であるパク・ビヒョン氏をはじめ、こころ理論と性こころ理論の専門家の方々に心から感謝の意を伝えたい。この方々の助力がなかったならこころ理論と性こころ理論の開発は難しかっただろう。
何より著者に心理障害の治療を受けた方々、セラピーツアーや治療教育を受けた方々、こころ教育と性こころ教育を受けた方々、心理障害と性機能障害の治療を受けた方々にも感謝の意を伝えたい。この方々の努力があったからこそ性こころ理論を開発することができた。最後に著者がこれまでどんなことをしても信じて応援してくれた家族にも感謝の意を伝えたい。
目次
序文
第一章 こころ理論
1 心と心理がはたらく原理
2 人間の心理構造
3 こころ理論の研究背景
4 こころ理論の仮説
5 こころ理論と学問
6 こころ理論の応用と活用
7 存在と自我実現
8 心と心理
9 認識心理
10 記憶心理
11 表現心理
12 トラウマ(Trauma)
13 心理問題と心理障害
14 心理学の誤謬
15 心理治療の概念
16 心理治療と傷治療
17 男と女の心理治療
第二章 性こころ理論
1 性の新しい概念
2 性こころの開発背景
3 性こころ理論の仮説
4 性こころと性心理
5 性こころ理論
6 性こころ
7 性心理
8 心理と性心理の原理
9 認識と性認識
10 記憶と性記憶
11 表現と性表現
12 性心理の発達過程
13 性情報の概念
14 男と女の違い
15 ジェス(xes)とセックス(sex)の違い
16 ジェス(xes)の構成要素
17 男性の性欲は性こころの欲求である
18 女性の性欲は心の欲求である
第三章 性こころと性心理
1 人と人間の性こころ
2 人間の心と性こころ
3 人間の心理と性心理
4 人間にとって性とは何か
5 人間関係と性関係
6 男と女の性こころ
7 男と女の性心理
8 男と女の性機能
9 男と女の性欲
10 男と女のセックス
11 男と女の性問題
12 異性関係の性心理
13 心と性こころの根源
第四章 人間関係の性心理
1 男の性幸福の原理
2 女の性幸福の原理
3 夫婦の性幸福
4 異性間の性心理
5 同性間の性心理
6 女の愛と性心理
7 男の情熱と性心理
8 男と女の快楽
9 男と女のセックス心理
10 恋愛の性心理
11 結婚の性心理
12 離婚の性心理
13 再婚の性心理
14 死別の性心理
15 人間関係と性関係
16 親密な人間関係の性心理
17 意識的人間関係の性心理
18 異常な人間関係の性心理
19 性心理の「過ぎたるは猶及ばざるが如し」
第五章 性感情と性欲
1 性無意識
2 性こころと性感情
3 五感と性感情
4 性の事実と感
5 性気分と性感情
6 男の性欲
7 女の性欲
8 性欲と性ストレス
第六章 性トラウマ
1 女の性トラウマ
2 女の性トラウマ防御基準
3 女の性トラウマ治療習慣
4 男の性トラウマ
5 男の性トラウマ防御基準
6 男の性トラウマ治療習慣
7 性心理障害
第七章 性犯罪
1 性犯罪の概念
2 性犯罪の予防
3 性犯罪の治療
4 性暴力
5 わいせつ行為とセクハラ
6 売買春
7 性犯罪の被害心理
8 性犯罪者の治療
9 性犯罪被害者の治療
第八章 性機能障害
1 性機能とは
2 身体の感が心に及ぼす影響
3 性感情の記憶と身体への影響
4 男性の性機能
5 男性の性こころと性機能
6 女性の性機能
7 女性の性こころと性機能
8 男性と女性の性機能の違い
9 性心理と性機能
10 性欲と性機能
11 性への没頭と性機能
12 ストレスと性機能
13 傷と性機能
14 性機能に対する認識の違い
15 男性の性機能障害
16 男性の性機能障害の概念
17 男性の性機能障害が発生する理由
18 女性の性機能障害の基礎
19 女性の性機能障害の原因
20 性機能障害に対する認識の違い
付録 1 性教育の性心理
付録 2 セックス・テクニックの性心理