人間として生きていると、心理的に苦痛を感じるときがあります。このような心理的な苦痛を感じているとき、その苦痛から抜け出し幸せになれる方法についてお話ししたいと思います。
人間関係の中で生きていると、自分自身がわざと自分の心に苦痛を与えることはありません。私たちはみんが他人と心理を交わすことで苦痛は生まれてきます。つまり苦痛の原因は相手だということです。しかし原因は相手でも苦痛を感じるのは自分自身です。相手は原因に過ぎず、自分と同じ苦痛を感じることはできません。ここで原因の是非について論じる必要はありません。相手の行動が間違っていようが、正当な行動をしていようが、実際に苦痛の感情が発生しているのは自分だということが重要です。
ではどうすれば苦痛をなくし幸福になることができるのでしょうか。
まず苦痛の感情は自分に発生したものだということを知ることが重要です。
ほとんどの人が苦痛の原因を除去すると自分が感じている苦痛から抜け出すことができると考えています。苦痛の原因は相手だから、原因がなくなると苦痛もなくなると考えるのです。しかし原因とは関係なく、苦痛は自分の内面に発生して作用している状態なので、原因がなくなっても感情の作用が止まることはありません。原因を除去することで苦痛を受けなくなるのは、苦痛が発生する前に予防をするときにのみ有効な方法です。
また相手が苦痛の原因だから、自分に発生した苦痛も相手が回復してくれることを求めます。これも同じように苦痛は自分の内面に発生して感じる感情なので相手がそれをどうすることはできません。つまり原因とは関係なく自分の感情を回復できるのは自分しかいないということを知らなければなりません。
2番目は自分の苦痛を直接自分が解決する努力をしなければなりません。
これは誰もが知る話ですが実際に努力をして実践する人はあまりいません。多くの人が相手が自分を回復してくれることを望んでいるからです。それでまずは概念を明確に知ることが重要で、自分自ら自分の苦痛を除去または解決をして、同じ苦痛を二度と感じないように予防する能力をつけなければなりません。これを幸福能力と言います。
このように自分の感情を自ら回復して予防できる能力をつけると、相手が自分の苦痛の原因になることもなくなります。すなわち幸福能力がある人は相手によって苦痛を感じることがなくなるのです。すると問題の原因だった相手とこれからの一緒に生きていくのか、それともその人との人間関係を整理するのかを主体的に考えられるようになります。そのためにはまず相手との関係にこの先希望があるのかどうかを判断する必要があります。
それで三番目にすることは、相手の問題は回復が可能なのかどうかを判断しなければなりません。
自分の苦痛の原因になっていた相手の問題は相手自身が除去するようにしなければなりませんが、これも自分が相手の問題を除去するのではなく、相手自身にしかできないことです。自分の苦痛は自分で回復するのと同じように、相手の問題は相手が解決する領域です。相手自身も相手の問題を除去または解決したあとで、同じ問題が繰り返されないように予防できる能力をつくらなければなりません。この過程を自分が待つことができるのかどうかを考えて、もし相手が問題を解決しようとする意志がない場合は相手との人間関係を整理することもできます。
このように私たちはみんな自分の幸福のために努力しながら生きなければならず、自分の幸福と不幸は自分のものです。相手はこの道のりを一緒に旅する存在に過ぎません。しかしほとんどの人が自分の幸福と不幸を相手に求めているので、三番目の観点だけに焦点を置き、相手が変わることを強要して求めています。すると自分は幸福のために努力することなく不幸な人生を生きていくしかありません。
それで人間関係に何らかの問題が発生して苦痛を感じている状況なら、必ず以上の三つを順序通りに進めてこそ人間として幸福になることができます。
このときに苦痛は自分自身が回復しなければならないという意志をもって努力する段階にまで進めると、自分は幸福になることができます。相手をどうするかは自分の選択事項であり、相手に努力の意志がないときは、その相手ではなく他の人と幸福をつくっていくこともできます。
これは必ず家族のような親密な人間関係にのみ適用されるものではありまえん。もし誰かが犯罪を犯し被害を受けたときは、社会では犯罪者への処罰だけに焦点が当てられています。犯罪者が処罰されたから被害者の苦痛がなくなるのではありません。どんな場合でも被害者は自分の心の傷を回復するために自ら努力しなければなりません。誰かのために努力するのではなく自分の幸福のために努力するのです。しかし悔しいからといって自分に発生した苦痛の感情は放置して復讐のみを考えているなら、報復の過程でより大きな苦痛と問題に拡大していきます。
自分の幸福は放棄し、相手にも自分と同じ苦痛を与える努力することはすでに人間としての生き方ではないということをご参考ください。
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