本書を通して心理治療教育であるこころ教育の基本内容を理解して頂き、心理障害で困難を覚えている方々に心理障害は難なく治療できるということをお伝えしたい。
心理治療教育は、本書の内容をより具体的に、そして様々な心理障害に合う形でこころ教育を行うことで、心理障害を治療する心理治療技法である。計20回の教育課程で構成されており、心理障害を完治する教育プログラムである。心理治療カウンセリングを受けなくても、自分の困難や傷に関して語らなくても心理治療は可能である。
序文
著者はセラピーツアーの代表で、心理フォーラム、不倫・浮気心理フォーラム、性心理フォーラム、性機能フォーラムを運営しており、心理障害治療のための心理治療カウンセリングと心理治療教育を行なっている。
著者は既存の書籍の仕様に従うというより、心理障害治療のためのこころ教育の基本である心と心理がはたらく原理を人々に分かりやすく伝えることで、心理障害の治療が簡単かつ迅速にできるということを伝えるために本書を執筆した。
様々な心理障害を治療する際に基本的に知っておかなければならない人間の心と心理は、心理障害に対する正確な理解を助けるため、本書の内容は心理治療に当たって必ず必要なものだと言える。男と女の心と心理を理解すれば心理障害(認識障害、感情障害、表現障害)を治療することができる。
本書は既存のカウンセリングを通しては心理治療ができなかった方、心理障害が繰り返して再発する方、心理治療がされないまま困難が続く方、一つの心理障害を治療して副作用として別の心理障害が発生した方、心理治療を諦めて生きている方などのようにこれまで心理治療ができなかった方々に希望を与えることができ、心理障害の治療法が開発されたということを伝えたい。
著者はこころ遺伝子理論、こころ理論、性こころ理論などの新しい心理理論を開発した後、心理障害を治療するための心理治療カウンセリングに適用し、様々な心理障害を治療し、長期間に渡り検証を積み重ねながら心理治療の成功率を八〇パーセント以上に引き上げた。心理治療カウンセリングを行ないながら、より簡単で迅速にできる心理障害の治療法を開発するための研究を続け、心理治療カウンセリングを行う過程で一定の心理治療のパターンを発見し、「心の教育だけでの心理治療」ができる心理治療教育の技法である「こころ教育」を開発した。開発されたこころ教育を過去数年間様々な心理障害治療に適用し、心理治療の成功率が心理治療カウンセリングよりもはるかに高く、九〇パーセント以上の驚くべき成果を上げている。
心理治療教育であるこころ教育を始める依頼者たちが半信半疑するのは当然だった。こころ教育で心理治療ができるという話に対して依頼者たちは信じられないと疑ったが、著者を信じてこころ教育を受け始め、心理障害の治療が完了した時、自分の心が変化したことを確認できた。しかしこころ教育だけでどうして心理治療ができたのか理解できないという反応がほとんどだった。心理治療されたのは明らかだが、こころ教育で心理治療がされたという事実は信じられないというものだった。
結局開発された心理理論がすべての人間(男と女)に同じようにはたらき、理解と配慮、そして心理治療の根本であることに確信を持てた。このような過程を通してこころ教育だけで心理治療ができることを検証した。
こころ教育は既存の心理理論とカウンセリングの観点からは理解できないものである。こころ教育は心理治療カウンセリングのためのものではなく、心理治療のための教育である。それゆえ依頼者は自分の傷と心理障害についての話をする必要は全くなく、依頼者たちが心理治療の過程において最も気後れして、負担を感じる部分、つまり自分の傷について話さなければならない負担をなくした。
既存の心理理論とカウンセリングに慣れている人たちは次のように話す。「家族状況、成長過程、過去の傷を分析もせずにどうやって心理治療ができるのか?そんなことは聞いたこともないし、全く話にならない」。なぜなら既存の心理理論とカウンセリングから見れば理解できないからである。これは新しく開発されたこころ理論と性こころ理論を知らなければ理解することができない。しかし新しく開発された心理理論を知ると、ほとんどの心理障害が簡単に治療できるということが分かるようになる。
心理治療教育であるこころ教育は心理学者、心理専門家、カウンセラー、精神保健医師が想像も付かなかった画期的で新しい心理治療技法である。こころ教育は一度のみの学習で一生を通して傷による困難や苦痛を経験しなくなる。つまり心理予防と心理治療を同時にすることができる能力を身に付けられ、こころ教育を受けた以降は心理問題、または心理障害が発生しない。それでこころ教育の費用は高いものの、その効果は一生の幸福につながる。こころ教育を通して幸福を築き、維持することができるので、他のどのような価値とも換えられるものではない。したがってこころ教育で心理治療を受けられた方たちは「絶対に費用が惜しいとは思わない」と異口同音で話す。
こころ教育は徹底的に検証されて体系化された順序がある。この順序に従って行わないと心理治療はされない。またこころ教育を行なう教育専門家は開発されたこころ理論を学習するのはもちろん、こころ教育の方法も学習し、教育技法と教育修練の課程を経なければならない。修練課程において教育専門家たち自らも驚くほどこころ教育が体系的な順序で構成されていることに気付き、順序が間違ってはいけないということを悟るようになる。それだけこころ教育は精巧に作られた心理治療技法である。
こころ教育は様々な心理障害を治療する。それでまるで心理障害治療の万能薬のように映りインチキだと思われがちだが、こころ教育の過程において心理障害ごとに異なる治療技法を適用して教育を行うためほとんどの心理障害を治療することができる。
こころ教育は心理障害を治療し、幸福心理を築く。感情記憶障害(感情障害)の治療は、配偶者の不倫・浮気による怒り治療と傷治療、うつ病治療、躁うつ病治療、不眠症治療、無気力症治療、パニック障害治療、摂食障害治療、強迫障害治療、不安症治療、その他の感情記憶障害の治療に効果がある。
また表現障害の治療は、パーソナリティ障害治療、衝動障害治療、心理障害により発生する様々な神経性の身体疾病の症状に対する治療、身体問題、手術の後遺症、事故などによって発生する様々な心理障害、または心的外傷後トラウマ障害の治療、買い物依存症治療、スマートフォン依存症治療、インターネット依存症治療、セックス依存症治療、関係依存症治療、アルコール依存症治療、ギャンブル依存症治療、薬物依存症治療、仕事依存症治療、運動依存症治療、その他の依存症治療などに効果がある。
それに加えてこころ教育は、人間関係(両親、子供、夫婦、家族、夫の実家、友だち、職場、その他)の様々な悩みと葛藤を治療し、様々なトラウマも治療する。また幸福に生きていける心を持つようになり、性格と習慣を変える効果もある。この驚くべきこころ教育の基本的内容をこれから皆さんにお伝えし、皆さん自身が幸福な人生を送っていけるように支援していこうと思う。百聞は一見に如かずなり。
本書の内容は心理障害の万能薬ではない。ただ心理治療を行なう時、根本となる人間の心と心理がはたらく原理を正確に理解することで心理治療が難なくできるように役立てることができる。
本書は心理治療を行なう時、知っておかなければならない内容を記述したものだが、本の内容における順序や組み合わせは心理障害によって少しずつ異なることもあり、微々たる違いによって心理治療にならないこともあり得るため注意しなければならない。
本書を通して心理治療教育であるこころ教育の基本的内容を理解し、心理障害で困難を覚えている方々に心理障害治療が難なくできるということをお伝えしたい。
目次
序文
Ⅰ 心理治療の始まり
1 こころ理論
2 こころ理論の研究背景
3 こころ理論の仮説
4 こころ理論の応用
5 心理治療カウンセリング
6 心理治療教育
7 安楽な人生
8 楽しい人生
9 幸福な人生
Ⅱ 心理と習慣
1 体と心
2 人間心理の理解
3 傷とストレス
4 うつ病の違い
5 習慣と性格
6 習慣作り
7 女の意味
8 女の外見
9 全裸睡眠療法
Ⅲ 男と女の幸福
1 幸福心理
2 既婚女性の幸福
3 シングル女性の幸福
4 離婚女性の幸福
5 死別した女性の幸福
6 男の幸福追求
7 男の愛
8 女の幸福構造
9 慰めと幸福の錯覚
Ⅳ 変化と違い
1 恋愛の心理
2 結婚後の心理
3 感情記憶の違い
4 心の違い
5 没頭の違い
6 情熱の過程
7 情熱と愛
8 性心理のはたらき
Ⅴ トラウマと心理
1 記憶と心理
2 理解と配慮
3 トラウマ
4 男の防御機制
5 女の防御機制
6 男の治療習慣
7 女の治療習慣
Ⅵ 長所と短所
1 魅力と誘惑
2 長所と短所
3 心理のポジティブ感情
4 心理のネガティブ感情
5 ピンクレンズ効果
6 心理対称理論
Ⅶ 性心理
1 性心理の概念
2 女の性心理
3 男の性心理
4 性行動の意識
5 性心理と性行動
6 性行動における女の意識
7 性行動における男の意識
8 性問題(Sex Trouble)
Ⅷ 会話と人間関係
1 会話の概念
2 会話の心理
3 会話の方法
4 問題認識の違い
5 感情の対立
6 親密な人間関係
7 意識的な人間関係
8 異常な人間関係
Ⅸ 感情と幸福
1 感情の記憶
2 感情の発生
3 心理と心エネルギー
4 心理の「過ぎたるは猶及ばざるが如し」
5 幸福の原理
6 傷と幸福
7 交感と幸福